別れへの道
remenber the hill
「うーん、風が気持ちいい!」
町を一望できる丘の上。
白い帽子を被った少年が、笑みを浮かべ、背伸びをする。
「そうだな」
彼の隣りにいるカシスはとりあえず応じる。
「ここって気持ち良いよねぇ。景色もいいし」
少年が言う。それはカシスに向けている事なのかどうかは分からない。
「意外と誰も知らないんだよね、ここの事。勿体無いよねぇ。
今度皆に教えてあげよっか。うん、それいい。それでもっと暖かい時に、ここで皆と一緒にピクニックにでも、」
「おい」
「んー?」
カシスは少年の言葉を遮った。首を傾げる少年。
「お前はここを離れるんじゃなかったのか?」
カシスが訊いた。
少年は笑みを浮かべたまま、すっと目を細める。
「うん。そうだよ」
少年は肯定した。
「明日にはコヴォマカを離れる。だから、皆の所を回っているんじゃない」
先日、カシスや少年を始めとするクラスメートは無事卒業した。
皆が皆、それぞれの道を歩み始める。
カシスは旅に出ようとしている。これはもう前から決めてあった事だ。旅立ちは明日した。
別れなんて物は鬱陶しいから、皆には黙って行くつもりだった。
しかしその前に、この丘の上で少年と会い、そして言った。
『僕明日ここから離れるから、お別れ言いにきたんだ』
正直驚いた。その言葉もそうだが、何より満面の笑顔で言われた事に。
「……お前は最後まで変な奴だった……」
「今の言葉、なんか引っかかるんだけどー」
どこか遠い目で呟いたカシスに、少年は不満気な目だ。
「いや、別に。普通別れを言うかなって」
「え、カシスだったら言わないの?」
「言わないね、絶対」
現に今の状況がそうだ。
「だって、その…なんつーか、照れくさいじゃねーか。見送られるのって」
「そーかなー? 僕はちゃんと言った方がいいと思ったんだけど。
だって」
少年は笑顔で言った。
「もう二度と逢えないかもしれないじゃん」
―――カシスは何故か、背中に冷たいものを感じた。
いつもの笑顔。いつもの口調。
しかし、今の言葉には、なんとなく、そう、なんとなくだが、
もう二度と逢えないのを予め分かっているかのようだった。
「…お前は…一体、何処に行くんだ…?」
自分でも微かに声が震えている事に気付いた。
「分かんない。風の向くまま行こうかなって思ってる」
少年は相変わらず笑っている。
カシスが感じた『恐怖』に気付いているのか、それすらも分からない。
「……あ、もうそろそろ行かなきゃ」
「何処に?」
「まだシードルやキャンディの所に行ってないんだよ」
首を傾げるカシスに、少年は簡潔に説明する。
「それじゃーね、カシス。元気でねー」
少年が手を振る。そして踵を返し、走り出す。
「…なぁ」
カシスが呼び止める。
立ち止まり、振り返る少年。
「お前、さっき言ったよな。この丘の事皆に教えて、暖かい時にピクニックでも、って」
「………」
「それって、お前がいつかここに戻ってくる、そういう意味じゃないのか?」
カシスは真直ぐ少年を見据える。
少年はカシスを見返し、そして小さく笑う。
「そうだね」
肯定。
「じゃあ、カシス。覚えておいて。今の事を。
"僕がこの丘で皆とピクニックしたい"
そう言ったことを」
少年はそれだけ言うと、丘を下っていった。
一人残されるカシス。
「勝手な事、言ってんじゃねーよ」
一人呟いた言葉を、風が攫う。
「俺も明日、ここを出てくんだよ」
風は言葉を街へと運ぶ。
「………」
カシスは軽く息をつくと、自分も丘を下っていった。
この丘を知るものは明日何処かへ旅立っていく。
別れへの道
続く場所は"再会"だと願っている
†終わり†
†あとがき†
234番おめでとうございました!
リクエスト内容は、『マジバケで男主人公とカシスがらみの小説』だったのですが。
カシスさんがどーも偽者ちっくです(汗)。
は、話も、何やら微妙で意味不明で…。
すみませんでした(涙)。
こんなんで宜しかったら受け取ってください。もちろん返品は可能ですので。
因みに題名の『remember the hill』とは、『Do As Infinity』の『冒険者たち』のカップリング曲の名です。
いい題名が思い浮かばず、つい…。いい歌なんですよ〜、こんなんとは違って…。
それではこの辺で、ありがとうございました!
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